活動状況

2016年度春季(第34回)情報通信学会大会
研究会報告

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研究会報告

研究会 発表タイトル 発表者
コンテンツビジネス研究会

商業アニメーションのビジネスパターンと企業戦略

 

発表者1: 内田健二氏 (株式会社サンライズ)
発表内容:日本の商業アニメーション概要
1.歴史
始まりから100年間の説明
2.独自性
・日本やアジアの美術表現や大衆娯楽の系譜
・アメリカの複製娯楽とキャラクタービジネスの影響
3.ビジネス
映像市場=一次利用 (TV・映画・ビデオグラム・配信) の市場規模
商品化市場=二次利用 (玩具・ゲーム・フィギュア・書籍・音楽・ライブ・演劇) の市場規模
資金調達と回収のバリエーション
4.ソフト産業としての経営
5.今後の展望


発表者2:張永祺 (東京大学大学院経済学研究科)
発表内容:中国アニメーション制作会社のビジネス戦略
日本との比較により、中国のアニメーション産業事情、アニメーション制作・放送環境の特徴を説明する。個別事例の観察を通して、各アニメーションのビジネスパターンを紹介する。

 

司会: 大場吾郎氏 (佛教大学)

モバイルコミュニケーション研究会

【報告要旨】

フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が始まり、モバイルメディアの機能は多様化し社会への影響にも変化が生まれ始めている。そこで注目されているのが、モバイルメディアによってリアルな空間にバーチャルな情報を重ねている状態である。このような変化に注目した新しいモバイルメディアの社会学研究が登場している。本研究会では、このような状態を「セカンドオフライン」と命名し、これまでの研究成果をまとめた(『ポストモバイル社会:セカンドオフラインの世界』世界思想社2016年、The Post-Mobile Society: From the Smart/ Mobile to Second Offline, Routledge, 2016)。本研究会部会では、その中から教育現場、職場、子育て空間におけるモバイルメディア利用に焦点を当て、研究報告を行う。今回は、さらに新しい知見も一部追加して研究報告を行う。

報告者1:上松恵理子(武蔵野学院大学)
「ポストモバイル社会(The Post-Mobile Society)におけるICTを活用した教育」
報告者2:松下慶太(実践女子大学)
「ワークプレイスを巡る場所論」
報告者3:天笠邦一(昭和女子大学)
「ポリリアリティ -社会学的想像力の喚起装置としてのスマートフォン」

情報行動研究会

メディア環境の構造転換期における情報行動変容

―日本人の情報行動調査から―


報告者:是永論(立教大学社会学部教授)
     北村智(東京経済大学コミュニケーション学部准教授)
討論者:鈴木謙介(関西学院大学社会学部准教授)

 

司会: 橋元良明(東京大学大学院情報学環教授)

 

概要:
 前半の発表では、近年インターネットの影響などにより大きな変化を迎えているテレビ番組視聴について、録画機器による視聴も含めた動向を情報行動の観点から明らかにすることを目的とする。具体的には、2005年からの時系列による比較と属性による比較から、現在において顕著な変化がどのような背景において生じてきているのかについて検討を行う。特に録画視聴に関しては、最近の増加が顕著であり、就業形態などとの結びつきも大きいため、生活状況との関係から詳しく見ていく予定である。
 後半の発表ではメディア環境の変容が進行するなかでの、情報行動における年齢効果、時代効果、世代効果の検討を目的とする。そのために、「日本人の情報行動調査」の2005年調査、2010年調査、2015年調査の3時点データをプールして、階層的APC(Age-Period-Cohort)分析を行った結果を報告する。この方法により、テレビ、新聞、インターネット利用における年齢効果、時代効果、世代効果について実証的な検討を試みる。